パンチョの人間万事塞翁が馬

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【書評】3時間台で完走するマラソン まずはウォーキングから

2008年にランナー復帰してから、ずっと読み続けている本がある。

金哲彦著の3時間台で完走するマラソン まずはウォーキングから (光文社新書)だ。

タイトルに偽りなく、「まずはウォーキングから」というのがポイントである。

この本に出会うまで、私のランニング・フォームは とてもじゃないが、非常にバランスが悪く、脚に負担がかかりやすい走り方をしていたのだ。

この本に出会う前までは、 何となく自分のフォームは非常に悪いということを自覚していたのだが、 具体的にどう改善すればいいのか分からなかった。

そこでこの本には「体幹」を意識した走り方をすることを主張していて いかに正しいフォームで走れるかを具体的に書いてあった。

体幹とは何か?

いわゆる身体の胴体部分のことである。

つまり手や足ではなく、それらを繋ぐ胴体部分のことだ。

特にへその下の部分を意識することが重要であるということを著者は主張している。

これまで私は身体の部分的なものには余り意識したことがなかったのだが、 この時にはじめて体幹を意識してフォーム改善に取り組んだ。

しかし、これまでの癖が染み付いているせいか なかなか改善しなかった。

そこで走るのではなく、歩くことから意識してみた。

つまり本書のタイトル通り 「まずはウォーキングから」を実践したのだ。

歩くときは背筋を伸ばして、 視線をまっすぐ前を見るように意識する。 腕はしっかりとリズミカルに動かした。

そうするとランニング時、 今まで身体に負担がかかっていたものが だいぶ軽減された感じがしたのだ。

もちろんウォーキングだけ体幹を意識しているのではなく 普段のジョギングやビルドアップ走などの練習でも 体幹を意識して走るようにしている。

この方法を丸1年実践したおかげで 2010年12月に行われた奈良マラソンを

初出場で3時間35分のタイムでフィニッシュすることができたのだ。

もともと走り切れる脚力があったと思うが、フォームがメチャクチャだったら タイムが悪くなって3時間台でフィニッシュすることができたか微妙なところ。

実際に長丁場の42.195kmを ちゃんと体幹を意識して走ったおかげで 30kmまで楽に走れたのは事実。

それ以降は普段の練習量と気力で踏ん張るしかない。

最終的には自分との戦いになるのは言うまでもないだろう。

あとこの本は体幹を使う方法以外にも レースマネジメントや食事のことなども記載してあるので、

かなり実用的である。

主に、初心者〜中級ランナー向けに書かれた本ではあるが 上級者でも全然おすすめできる。

私自身、すでに3時間台でフィニッシュしていて 次のステップに進む段階ではあるが、

初心に返る意味では、この本はとても重宝する。

ランナーなら持って損はしない1冊だ。

3時間台で完走するマラソン まずはウォーキングから (光文社新書)